帰国生入試小論文トピック
実際の試験ではどのようなトピックが出題されているのでしょうか。 一部見てみましょう。 同じ大学でも学部が違えば出題形式は異なります。 志望学部の出題傾向や過去問のトピックを把握することは、自分の勉強方法や勉強内容を考える上で非常に大切です。
東京大学
平成24年度 外国学校卒業学生特別選考
文科二類
A 近年、話者数の少ない言語や、規模の小さいコミュニティの文化が存続の危機に瀕していることが指摘されている。これらの言語や文化を次世代に継承させていく活動を持続的に展開する場合、どのようなメリットとデメリットが考えられるかを具体的に挙げ、かつ次世代へ継承させることそのものに対するあなた自身の考えを述べなさい。
B 東日本大震災の発生後、「科学は、必ずしも人間を幸福にしない」という発言がみられるようになった。ここで、科学には、科学知識と科学技術の2つの意義があることに注意しなければならない。そのことを踏まえて、科学と人間の幸福との関係を論じなさい。
文科三類
A 東日本大震災とそれに伴う大津波および原子力発電所事故は、これからの日本にどのような変化をもたらすと考えられるか。短期的・長期的な観点から、それぞれ見通しとその根拠について述べなさい。
B ある国の文化について、その国のことをほとんど知らない人に説明する場合、相手に無理なく伝えられることはどのようなことであり、逆にかなり工夫をしないと理解さえ困難なことはどのようなことか。それぞれ具体例を挙げた上で、より一般的に考察しなさい。
理科一類
A 科学技術の分野では、例えば地球に似た惑星の発見や宇宙の起源の探求など、遠い将来を見据えた研究が行われている。その一方で、例えば発電の高効率化やがん治療機器開発など、すぐにでも解決が望まれる研究が行われている。あなたはどちらのタイプの研究を好むか、事例および理由を交えて論ぜよ。
B 現在の環境問題をもたらした原因のひとつが、工業製品の大量生産・大量消費・大量廃棄を前提とした、これまでの社会における生産活動にあると考えられている。この問題の解決には、工業製品の生産消費の際の環境負荷低減のみを考えるのではなく、「資源−生産−輸送−使用−廃棄−リサイクル」という工業製品の一生、すなわちライフサイクルを考え、製品ライフサイクル全体で資源・エネルギーの消費を低減し、廃棄物の発生を抑えながら、社会に提供する価値を最大化することが有効であると考えられる。 しかし、実際には、国際的な資源の偏在、生産地と消費地、あるいは廃棄物の発生地と処理地との物理的距離、その間にまたがる国際的な制度の違いなど、製品ライフサイクル上には国境という壁が存在し、製品ライフサイクルを最適化するには大きな制約が課せられている。この国境を越えて製品ライフサイクルを最適化する際の問題点や課題をなるべく具体的な例を挙げて論ぜよ。
理科二類
A 世の中には「科学的に説明できないこと」と「非科学的なこと」が存在する。両者について例をあげながら説明したうえで、科学や科学者のあり方に関するあなたの考えを述べなさい。
B 環境学の重要な概念に「sustainability」というものがあります。sustainable な状態というのは、静的で安定な平衡点のことではありません。空想的な理想社会のことでもなさそうです。世界に経済先進国と発展途上国が混在しているいま、sustainable な社会とはどのようなものか、その実現に向けて科学がどのような役割を果たすべきか、あなたの考えを述べなさい。
筑波大学
平成23年度 第2学期推薦入試(帰国生徒特別入試)
国際総合学類
現在、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に日本が参加するか否かが大きく取りざたされている。同協定は2006年にチリ、シンガポール、ニュージーランド、ブルネイの4カ国で発足し、その後アメリカやオーストラリアをはじめとした諸国が参加の意向を表明している。TPPの大きな目的は、太平洋地域の国々が参加して、自由貿易圏を形成することにある。 日本のTPPへの参加をめぐる議論に触れながら、この問題に関するあなたの考えを論じなさい。
社会学類
1994年に導入された現在の日本の衆議院の選挙制度は、政権交代可能な二大政党制を確立することを目的のひとつとして採用されたものである。それから5回の総選挙を経て、衆議院の議席の9割近くが二大政党によって占められるようになり、実際に政権交代も起こった。このような政党政治のあり方の変化がもつ意義や問題点にふれながら、今後日本において二大政党制化を進めていくべきか否かについて、あなたの考えを自由に述べなさい。
体育専門学群
現在の都市には、慢性的な交通渋滞、緑やオープンスペースの不足など、過去の急激な都市化に起因した課題が山積しています。加えて、少子高齢化や国際化等の近年の社会経済情勢の変化や、3月の東日本大震災を機に環境、防災、国際化等の観点から都市の再生が活発に議論されています。健康づくりあるいはスポーツを基盤としたまちづくりという観点からあなたの提言を述べなさい。
早稲田大学
2012年度 帰国生入試
教育学部生涯教育学専修
問1
次の文章を読み、アイデンティティ形成を生涯にわたる教育、つまり生涯教育学という観点から考察しなさい。 (文章省略)
問2
次の文章を読み、自己変革の力としての識字教育について論じなさい。 (文章省略)
お茶の水女子大学
平成24年度 帰国子女・外国学校出身者特別入試
理学部生物学科
生命体の基本単位である細胞について、次の問1〜2に答えよ。
問1
いま、細胞を人工的につくるとしたら、どのような機能をもった分子が必要か。細胞が生命活動を営むために必要な三つの機能との関係を示しながら、あなたの考えを述べよ。
問2
前問でつくった人工の細胞がいきているかどうかを確かめるためには、どのような方法が考えられるか。具体的な方法を二つあげ、それぞれについて生命活動との関係から説明せよ。
武蔵野美術大学
平成24年度 外国人・帰国生特別入学試験
造形学部 芸術文化学科
配布された、ひとつの絵画作品の図版をみて、まずそこに具体的に何が描かれているかを説明しなさい。次にその描かれた対象と構図・色彩を通して、画家が何を表現したかったのかを含めて、自分の芸術体験を踏まえ、感じたこと、考えたことを意見として1000字以内にまとめなさい。
東洋大学
2012年度 海外帰国生入学試験問題
文学部 教育学科
人間発達専攻 近年日本の学校では、「学ぶ意欲の低い子ども」「学ぶ意欲を見いだせない子ども」が多数見られることが大きな問題となっています。居住した国の状況を紹介しながら、この問題についてあなたの考えを述べなさい。(800字以内)
文学部 英語コミュニケーション学科
次の主張について、支持する側と反対する側のそれぞれの立場に身を置いて意見を述べてみなさい。 「日本は英語を公用語化すべきである」 回答欄の前半に支持する意見を述べること(400字以内)。回答欄の後半に反対する意見を述べること(400字以内)。
社会学部 第1部社会学科 社会システム学科 社会心理学科
あなたが滞在していた国(地域)で、その文化を理解しようとした時、最も困難な点は何でしたか?また、あなたはそれにどのように対応したのか、具体的な例をあげて説明してください。時数は500字以上800字以内とします。
国際地域学部 観光学科
国際地域学部のモットーの中に、Think globally, Act locally「地球規模の視点で問題をとらえ、ローカルな場で行動せよ」という言葉があります。この言葉をもとに、あなたは本学でどのような学生生活を送りたいと考えているか、600字以内で述べなさい。